放浪

 先日、朝から雨が降っていた。少しばかり朝寝をして遅めに起きたのだが、雨の日はすることがない。することがないと生きがいを感じない。この貧乏性は治らないようだ。

 すでに21万キロ近く走っているプリウスを所有している。ここしばらく乗っていない。これで出かけることにしようと思った。困ったことに左程行きたい所がない。6角形の鉛筆の面に、ランダムに右直左と印を付け、机の上で転がして、右直左の並ぶ列を作った。ある程度大きな信号があるたびに、作った配列に従って進む。老化が進むと幼児化するといわれるが、まさにその通りである。

 昼過ぎに家を出てこの遊びを続けていたら小石原の行者杉を通り、英彦山から香春岳の山麓を通って北九州市へと向かう322号線に乗ってしまった。午後4時近い時間である。帰ることを考えると、さすがにこれ以上家から離れるのは嫌だと思い、遊びを中断、小倉南インターから高速に乗った。

 そのまま高速で帰れば、大回りになるとは云え福岡、鳥栖を通って90分程で帰れるのだが、何せ高速料金が高すぎる。従って、八幡インターで下りた。後は200号線にのり冷水峠から朝倉市を経由して帰宅した。午後6時近かった。

 幾分悔しいのは、この間良く晴れていたことである。こんなに天気が良かったのであれば、色々と片づけることができたのにと忸怩たる思いである。人生とは馬鹿な行為の積み重ねである。