蕪価は安い

 先日、薬が切れたので病院へ行った。未だに博多の病院へ通っている。一件目の病院で血を抜かれた。採血されながら、看護婦さん、いやいまはなんと呼べば良いのかな?看護師、まあとにかく吸血鬼ではない採血人に向かって、正月明けのこの時期に血液検査なんて一寸患者に不利だよね。ここ何日か、いつも以上に食べたり飲んだりしてるわけだろ。ここで結果が悪かったら、あの人薬を増やすのかな?と医者に聞こえるように喋っていたら、医者が嫌そうな顔をして笑っていた。ささやかな反抗である。ここしばらくは血糖値が落ち着いているので、医者の目を盗んで薬を減らそうと企んでいる。扱いにくい患者である。

 昨日の株価の予想は外れた。何でかなと思っているが、私は株を持っていないので、まあいいや。一方、蕪価は安値で止まっている。一寸だけスーパーを覗いたのだが、あの価格では出荷する気になれない。自家消費を続けよう。残り少なくなってきた赤ダイコン、紅くるりという品種なのだが、こいつは芯まで赤い。強烈に赤い。そのまま食べるにはどぎつい程赤い。色素成分はフラボノイド(アントシアン)であると書いてあるので、きっと目に良いと思われる。このダイコンを蕪の甘酢漬の中に適量加えてみたのだが、とてつもなく奇麗な色になった。いわゆる薔薇色(#e9546b)、牡丹色(#e7609e)、もしくは躑躅色(#e95295)に近い。昨年は試験栽培で、50本くらいしか植えていなかったが、評判が良いので今年は増産する予定である。

 毎日、切り落とした梨の徒長枝を焼却している。切って間もない枝であるから燃えないことこの上ない。それを無理やる燃やすのだから、結構煙が出る。作業中はあまり意識しないが、帰りの軽トラの中は焦げ臭くてかなわない。帰って一風呂浴びるまでこの臭いはつきまとい、喉はいがらっぽい。

 そういえば、去年育てていたモリンガの粉末化が終わったという連絡が来た。さらに、ゴーヤの粉末化もうまくいったそうである。寒くて仕事ができない日に、見に行くことにしている。これらをどう商品化するかは今後の課題であるが、何か企んでいるほうが生活に楽しみが多い。とにかく、身の丈に余るほど借りすぎた畑に何かを植えないといけないので、いろんな種苗会社の通販サイトを連日彷徨っている。米と一般的野菜類をベースとして、その売り上げの上に桑、ゴーヤ、ジャンボニンニク、モリンガ、クリ、赤いダイコンなどの売り上げを乗せていくしかない。そういえば、もう確定申告の時期である。

煙が目に沁みる

 ようやく梨の徒長枝を切る作業が終わった。首と肩と腕と腰がパンパンに凝っている。去年の腱鞘炎も再発しそうで、ここ2日間、作業量を幾分控えめにしている。これから、切り落とした徒長枝の処理に入るのだが、半分は薪ストーブの焚き付け用にまとめて保存、残りは焼却することになる。切ったばかりの生木であるため、なかなか燃えない。何度も煙でむせた。家に帰って、プラターズの「煙が目に沁みる」を久しぶりに聴いた。

 世の中に大きな変動が起きそうで、きな臭いですね。明日の株価も下がるのではないかと思っている。北方領土は極めて不味い状況だし、辺野古の埋め立てもどうなるやら先行き不透明、オリンピックも見通しが付かなくなっている。まあ、アンダーコントロールと嘘をついて無理に進めた件だから、仕方ない結果でしょう。いやいや、問題は山積、先行き不透明。

 天候も異常、日本だけを見ていると左程感じないかもしれないが、ヨーロッパの寒波と降雪は半端ではない。この寒気は、ヨーロッパに止まらず中東のレバノン当たりまで広がっている。(https://earthreview.net/snow-chaos-is-deepening-europe-turkey-lebanon/)このサイトには昨日だったがサウジアラビアイスラム教の聖地メッカが、イナゴに占領されたという記事が出ていた。パールバックの書いた「大地」の1シーンを思い出すような光景です。昨年から、サウジアラビアでは洪水のニュースが何度も流れていた。その後、砂漠が花に覆われたというニュースが続いた。雨が降って多くの植物が育ったとすれば、蝗が増えることは不思議ではない。だが、アラビア半島がそうなるというのは、世界の気象を考えるとすごく大きな変化である。

  脅かすつもりはないが、NASAのジェット推進研究所の科学者らが「2年以内にカリフォルニアで126年ぶりの大地震が起こる」と予言したというニュースが流れている。但し、原文を読んでみると原文を読んでみると、ニュースソースは Unnamed Scientists from NASA’s Jet Propulsion Lab JPLとなっており、発信者が明確ではない。ガセネタである可能性は十分にあると思うが、イエローストーン地域の地殻変動が活性化していることなどを考えると無視はできないだろう。(https://beforeitsnews.com/v3/prophecy/2019/2502518.html

 フランスのイエローベスト運動、沈静化していないようですね。日本のマスコミは忖度して殆ど報道しませんが。以前私が予想したように、この運動はヨーロッパ全土に形を変えながら広がっていますね。デンマーク、ドイツ、イタリア、イギリス、スペイン、セルビアハンガリーレバノン、スエーデンなど、さらにカナダ、エジプト、イスラエル南アフリカなどにも飛び火しているようです。

不精者の方が長持ち

 不精者の盆働き、怠け者の節句働きなどという言葉があるが、私に良く当てはまる。普段から真面目に働いていないという罪の意識が、休みの日になると働け働けと呼びかけるのである。休日に働きたくなる理由はもう一つある。昔から胃腸が弱かった。だらけた休日が二日も続くと胃の調子が悪くなり、口内炎が発生するのである。正月明けやゴールデンウィークの後など、地獄のような日々だった。唇の裏側や頬の内側にできた口内炎は何とか我慢できるのだが、舌にできた口内炎(舌炎の方が正しいか?)、それも舌の下側にできた奴はとてつもなく痛い。唾が飲み込めないほど痛い。神経を使うデスクワークが続いていた現役時代、月に2回くらいは口内炎に悩まされていた。(お前が気を使っていたなんて、そりゃないだろうという外野の声がないわけではないが、本人としては極めて繊細な神経の持ち主であると自認している)仕事を辞めて肉体労働を始めたら、お金と一緒に口内炎もどこかへ行ってしまった。ここ5年ほどご無沙汰である。

 というわけで、2日までは自重していた野良働きを3日から再開した。少々人の目を気にして誰も来ない山のクリ畑に行ったのだが、同じ気質の人は結構いるらしく、何人かの知った顔がニコニコと働いていた。家の近くにせにゃん仕事がないわけじゃないが、あんまり音を立てると気が引けるなどと云いながら、チェーンソーを響かせている。嬉しいことに、私もここでは少数派ではないようだ。

 更新が遅れているが、山の隣の畑の持ち主であるKさんが脳内出血で倒れた。私より5〜6歳若いはずである。定年後、かなり荒れていた持山を2年ほどかけて元に戻してブルーベリーとフェイジョアを植え、今年から収獲できると喜んでいた。すごい働き者だった。正月は3日から、フェイジョア畑の周囲に防獣フェンスを張っていた。倒れたのが自宅で病院への搬送が早かったので回復する可能性はありそうだが、山仕事ができるまでになるかどうかは分からないという。何だか身につまされる話である。お酒が好きで少々肥満気味だったので、一寸控えた方が良いよなどと笑ってはなしていたのだが、朝夕の冷え込みが堪えたのかもしれない。会って元気づけたいと思うのだが、面会謝絶が続いており会えるのは少し先になりそうである。我が家は、薪ストーブのおかげで朝起きたときでも15度を下回ることは殆どない。さらにこの季節、外気温が上がる10時以降でないと外には出ないことが多い。不精者の方が長持ちするのかもしれない。

大雪高嶺ヒカゲ

 このブログを書いていたWordPressから新しいバージョンにアップしろアップしろと云ってくるので、何気なくバージョンアップボタンを押したのだが、バージョンアップではなくフルモデルチェンジであった。何をどうして良いか、まだ手探りである。という理由もあって、ブログ更新は遅れ気味となっている。

 木を切って、草を刈って、燃やして、熾火にサツマイモを入れて焼き芋を楽しむという何の変哲もない日が続いている。老中の日々として、左程不満はないのだが、学問的刺激が一寸だけ少ない。少し前、基本的な代謝系である解糖系とTCA回路、ペントースリン酸経路を描いてみたら、ペントースリン酸経路の一部を忘れていた。人間とは忘れる生き物である。そんなこともあって、秘密のプライベートプロジェクトを始めてしまった。まだ内緒!うまく行くかどうかは分からないが、何もしないよりましである。おかげで夜更かしがさらに酷くなっている。寝るのは2時過ぎ、従って畑への出勤時間が周りの人よりかなり遅れる。反省、反省、三省堂の毎日である。

 秋口に植えていた秋野菜が収獲期を迎えている。今年はダイコンが豊作らしき、長さが60cmを超すような大物でも100円でしか売れない。手数料を引かれると80円、種代と肥料代と諸々の経費を引くと実収入は60円を切りそうである。その上売れるのは一日当たり5〜6本、農家は厳しい。もちろん他の野菜も出荷してはいる。ワケギ、ワサビ菜、からし菜、など。でも残念なことに、どれも売れ行きは同程度、一日1000円の収入はなかなか達成できない。

 景気の悪い話を年初に始めるのは止めて、もう少し明るい話題をと思うのだが、なかなか明るい話は存在しない。馬鹿な話というより笑える話でもと考え、昆虫の名前の話題でも紹介しよう。良くある話だが、次々と新種が見つかるが故に、虫や植物の名前には矛盾を含むものが多い。トゲトゲという虫がいる。ハムシの仲間だ。現物を見れば直ぐに分かるほど、身体からトゲが生えている。ところがバラにトゲのないバラがあるように、トゲトゲにもトゲのない変種が存在する。名前はトゲナシトゲトゲ、この名前、虫そのもので面白くも可笑しくもない。当たり前である。しかしである。このトゲナシトゲトゲの仲間にトゲのあるもの見つかったわけだ。名前はトゲアリトゲナシトゲトゲ、おぬしのトゲはあるやなしやと尋ねたい気分である。

 昔、名前は出せないが天然記念物であるタイセツタカネヒカゲという、北海道の大雪山日高山脈の高山地帯にいるにいる蝶を捕りに行った人を知っている。もちろん、採集禁止の蝶であるが、それ故に捕りたいという願望を持つ人は少なからず存在する。法律があるからそれは法令違反であることは間違いないのだが、昆虫は虫キチが少々捕ったからといって減ったり絶滅したりすることはまずない。繁殖地の開発・造成などのほうが、はるかに影響は大きい。でもまあ違反は違反である。それで結果はどうだったか、敢えて聞かなかった。武士の情けというものだ。ただ、彼の中でタイセツタカネヒカゲという蝶は、大切で高値なヒカゲ蝶であったことは間違いない。